宮崎県の
「耕畜連携推進」
について

Ⅰ.はじめに

 国は「みどりの食料システム戦略」に基づき、環境に配慮した持続可能な食料システムを構築するために、地域資源を有効に活用した循環型農業を推進しています。また、本県においても、令和5年4月のG7宮崎農業大臣会合で採択された宮崎アクションを具現化するため、海外資源への過度な依存から脱却し、持続性と生産性の両立による農畜産業の発展を目指す「グリーン成長プロジェクト」を立ち上げ、各種施策を展開しています。

 このような状況を踏まえ、各種自給飼料の安定生産・供給体制の強化や良質堆肥の生産及び県内農地への還元など、「畜産王国宮崎」ならではの農業環境をいかした耕畜連携の推進をより一層強化するため、宮崎県農業再生協議会に「耕畜連携推進部会」を設置し耕種農家や畜産農家、農業団体や行政のそれぞれの強みを持ち寄り、地域資源の好循環の輪を広げるための体制を整備しました。

 耕畜連携推進部会では、「飼料用米対策」・「稲わら対策」・「堆肥対策」を中心に、モデル的な取組の構築に係るポイントや活動のノウハウ等を整理するとともに、県内外の各種優良事例等を収集し、それらを取りまとめたマニュアルを策定しました。

飼料用米
稲わら
堆肥

Ⅱ.耕畜連携を推進する意義

農業物価指数の高騰

 輸入依存度の高い肥飼料の価格は、不安定な海外情勢や円安等の影響を受けて高騰しており、その農業物価指数は、基準年(R2)と比べR6末では、肥料費・飼料費ともに約140%となるなど、農家経営を大きく圧迫しています。このことから、早期に輸入依存体質から脱却し、地域資源を有効に活用した安定的で安価な肥飼料の確保体制を構築する必要があります。

 宮崎県では「耕畜連携」の取組を強化し、耕種農家における飼料用米、稲わら等の生産・供給や、畜産農家における各種畜種由来の堆肥の生産及び圃場への還元等を中心に各種取組を推進し、持続可能な循環型農業の確立に努めています。

【稲作農家戸数の推移】

H25~R5年の10年間で
約3割減少

【畜産農家戸数の推移】

H25~R5年の10年間で
約4割減少

Ⅲ.推進体制

耕畜連携推進部会設置

宮崎県農業再生協議会では、「畜産王国宮崎」ならではの耕畜連携を推進するために、「耕畜連携推進部会」を設置し、総合的かつ機能的な施策の推進取り組んでいます。

1.部会の構成

2.部会での協議事項

  1. 耕畜連携に係る活動方針や年度計画等の策定並びに推進状況の管理等を行いながら、計画的な事業等の推進に努める。

  2. 資源循環型農業を踏まえた耕畜連携の強化を図る観点から、 ・飼料米や稲わら等の各種自給飼料の安定生産・確保 ・良質堆肥の生産及び水田等への安定供給体制の構築 ・各種自給飼料や稲わら、堆肥等の広域流通体制の構築 ・各種技術等の実証 ・補助事業の効果的な導入推進 等の課題解決に取り組むとともに、耕畜連携に係る各種情報等の収集・共有を図ることとする。

3.部会の具体的な活動

(1) 各関係部署の活動に関する各種情報の共有化各部署等の活動について、情報発信・共有できる仕組みを構築するとともに、各種事例調査や実証試験、研修会等を実施し、積極的な参加を促しながら、県下各地域の耕畜連携関係者の資質向上に努める。

 

(2) 各部署における一般課題の着実な推進これまで各部署で対応してきた課題については、一般課題として位置付け、従来どおりの担当部署が中心となって着実な推進を図るとともに、それらの取組状況については、定期的な部会において共有しながら各活動のマネジメントに努める。

 

(3) 重点課題に対応するためのプロジェクトチームの設置部門横断的な関係部署の連携が特に重要となる課題については、重点課題として位置付け、課題ごとにプロジェクトを設置し、耕種・畜産両部門から総合的に対応する。なお、現在、プロジェクトチームで対応している課題は次のとおり。

 

 ① 飼料用米生産利用推進モデルの育成(PJリーダー:県農産園芸課)

 

 ② 稲わら循環連携モデルの育成(PJリーダー:県畜産振興課)

 

 ③ 堆肥循環連携モデルの育成(PJリーダー:県農業普及技術課)

 

4.地域との連携

 重点課題を対象にしたプロジェクトの実施にあたっては、地域との密接な連携及び効率的な指導・支援が必要となることから、課題の内容に応じて地域の関係者もプロジェクトのメンバーに招集して対応する。

 なお、各地域における耕畜連携の課題は多様化していることから、地域の実状に応じた自発的・持続的な活動を展開するためには、地域の行政・普及・農業団体・耕畜両生産者等が一体となり、耕畜連携の在るべき姿を議論し、それを踏まえた将来のビジョンを描くとともに、迅速かつ効果的に実践に移す推進体制の構築が重要である。

 このため、推進部会では、プロジェクト活動の連携等を契機に、地域での推進体制の整備についても誘導・支援を行っていく。  

【参考】

地域における耕畜連携を推進していく上での留意事項

 耕畜連携を円滑に推進するためには、関係機関・団体や生産者等において、問題意識の醸成、現状の把握、課題の整理、対応案の立案、目標の設定等のプロセスを踏みながら、地域の目指すべき姿を示したビジョンやロードマップ等を作成・共有するとともに、関係機関・団体等が連携して推進する体制を確保した上で実行に移すことが重要です。

 特に、飼料作物や堆肥等の生産・供給・利用を担う耕種・畜産農家等においては、地域の取組を牽引する核となる人材の育成やコントラクター等の新たなプレイヤーとして確保する必要があり、必要に応じて国や県のソフト・ハード事業を有効に活用し、先導的事例の構築に向けて積極的な支援を行うことも必要です。

【地域における耕畜連携推進の流れ】

STEP1
地域内の状況把握
  1. 関係機関・生産者等による意見交換
  2. アンケート等による各種実態等の調査
  3. 各種課題等の整理 等
STEP2
地域の将来像の検討
  1. ビジョンやロードマップ等の策定
  2. 関係機関等における共有
  3. 取組みに関する合意形成 等
STEP3
ビジョン等の実践
  1. 関係機関等による推進体制の整備
  2. マニュアルを活用した各種技術等の支援
  3. アンケート調査結果を活用した各種マッチングの支援
  4. 定期的な反省・評価による改善 等
STEP4
モデル的な事例の構築
  1. 補助事業の活用による施設・機械等の整備支援
  2. 農地の集積・集約の支援
  3. 各種情報等の提供 等
STEP5
モデル事例の普及・拡大
  1. モデル事例の調査・とりまとめ
  2. 調査結果等の情報発信・共有
  3. モデル事例の普及・拡大
※ 次回は「飼料用米対策」についてご紹介します!
 今後とも『みやざきの堆肥』を、よろしくお願いします。
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